語り伝え「鬼合戦」

・・・

戦で負ける事のない男がいた。
敵の真赤な返血で
真赤に錆びた鎧と刃
男は「赤鬼」と呼ばれた。

人の業を裁こうとする鬼達がいた。
冷徹な戦略とその青い衣
聞く者全てが青ざめるその咆吼
鬼達は「青鬼」と呼ばれた。


赤鬼は都の命令で青鬼を退治する為
彼らの棲む島へと向かう。

青鬼の将と対峙した時、奇妙なことが起きた。
彼らの刃が輝きだしたのだ。

これを定と知るように
燃えるように赤く
凍えるように青く

巨大な力で押しつぶし
幾万の命を奪った刃
青い光のその刃から声が聞こえる。
「壊せ。壊して、取り戻せ。」

沢山の者を斬ってきた為に
もう斬ることのできなくなった刃
赤い光のその刃から声が聞こえる。
「戦え。戦って、護り抜け。」

男は気付く。
青鬼が咆吼する。

衝突する意思。

・・・

後に偵察に来た都の遣いの者達は
そろって奇妙な光景を目にすることとなる。

そこにあったものは
赤鬼の砕けた鎧と錆びた刃

しかし赤鬼の姿はどこにもなく
青鬼もその後見つかることはなかった。

この島は後に鬼ヶ島と呼ばれるようになるが
「鬼合戦」のあった場所として恐れられ
今は誰も近寄る者はいない。


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